昨年初夏(2008年)当社社運をかけて新規導入したDMG社5軸マシニングセンタ「DMU50」。通常は複雑形状多面加工に使用されるマシンだが、当社の導入目的は加工時間の短縮=製品コストダウンにあった。現有のフライスマシニングセンタでは切削加工面毎にくわえなおす作業に手間がかかる。人手間がコスト高の最大の原因だ。DMU50のワンチャッキングによる割り出し加工は、少量ながらも複数生産品のコストダウンを図れるのである。更に、マシン備付の対話式自動プログラムの手入力手間を削減するためCAMを導入し、3DCADデータを加工に活用できるようにした。
さあ。準備は整った。早速、新設備の実力成果をお客様に見て頂いて、新規受注につなげたい。作業者がDMU50、CAMを使いこなすための実習材料として、文具の「セロテープホルダ」を製作し営業ツールにしてはどうか?という話になった。ひとつのアルミ塊から削り出した手の込んだものだ。
実はこのセルテープホルダは当社社長のデザインだ。長い間胸に秘めていた「無骨なアルミ小物」をカタチにしたい想い。社員が日々真面目に工業部品製作に取り組む中、単なる男子心をくすぐる趣味の世界を「仕事」として指示する理由がなかったのだが、まさにその時がきたのだ。
そしてこの営業ツールは功を奏すのである。個人の趣向の差はあるにしろ、営業先の男子の心を掴んで話に花が咲き、具体的な加工へと話は続くのである。
社内のDMU50、CAM活用能力は発展途上であるが、テープホルダはお客様がテープを張る時に、またデスク上のオブジェとして、ソーワMDセンターを思い出すきっかけを与えてくれているはずである。
当社ではAutodesk Inventor を使用しています。